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『西洋音楽史』 岡田暁生
20080306225215

 以前、ピアノコンチェルトの「協奏曲」「競争曲」だと思っていて、妻に笑われたことがあります。でも、それがそう馬鹿にできない間違いであることがわかりました。

 コンチェルトという言葉は、それまでの無伴奏合唱曲の響きの均質さに対して、器楽と合唱が「競いつつ調和する」という意味で使われたのである。concertareはラテン語では「競う」を、イタリア語では「協調させる」を意味した。協奏曲は競争曲なのである。

 妻よ、私はラテン的に正しかったのだ…(笑)。

 それは中公新書の岡田暁生氏著『西洋音楽史』を読んでの発見でした。

 タイトルからするとカタッ苦しい音楽の授業のようですが、わたしのようなシロートにも分かり易くクラシックを中心としたヨーロッパ音楽史が理解できます。
 分かりやすさと反比例して質は低下しがちなものです。でも、この本はさにあらず。表現のしかたや流麗な文体が素晴らしいです。その証左にこの本の最後の文章を載せておきましょう。


 カラオケに酔い、メロドラマ映画の主題歌に涙し、人気ピアニストが弾くショパンに夢見心地で浸り、あるいは少ししか聴衆のいない会場で現代音楽の不協和音に粛々と耳を傾ける時、人々は心のどこかで「聖なるもの」の降臨を待ち望んでいはしないだろうか?宗教を喪失した社会が生み出す感動中毒。神なき時代の宗教的カタルシスの代用品としての音楽の洪水。ここには現代人が抱えるさまざまな精神的危機の兆候が見え隠れしていると、私には思える。

 クラシックを聴く方にオススメの一冊です。私にとっては私に眠るラテン語のセンスを気づかせてくれた一冊ですが(笑)。

テーマ:紹介したい本 - ジャンル:本・雑誌

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 食とは、味はもちろんのこと、サービス、価格、雰囲気、タイミングなどの複雑な要素の織りなす重要な活動です。それは一般的な消費者たる私たちにとっても単なる消費行為ではなく、そこから受けるおいしさや楽しさにより生産的行為となっているはずです。

 そこには新しい発想、新しい知覚、新しいコミュニケーションが存在するのです。それらは、すぐそこにあります。その新しい現実をご一緒に発見し、確認していきましょう。

 とはいえ、この活動は「内食」すなわち家庭の食事をないがしろにするものではありません。さりとて、単身赴任、孤食、常態的残業、夜間の塾通いなど、旧来の「暖かい食卓」を求めるには難しい世情となっているのが現状です。そういった現実とのバランスをとりながら、新しい現実を探求する必要があるのでしょう。


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